ふと自分のキーボードを見下ろして、「あれ、ここだけ文字が消えかけてる」と気づいたことはありませんか。
私の場合、いちばん白っぽくテカっているのは「Enter」でした。次が「Backspace」。文字そのものが消えているわけではないのに、キートップの表面だけ、なぜかツルツルに光っています。
最初は「ただの使用感やな」くらいにしか思っていませんでした。でも、しばらく眺めているうちに、これって案外その人の生活そのものが出ているのでは、と思えてきたのです。
すり減り方は、仕事のしかたの履歴書
キーボードは毎日触れる道具なので、すり減る場所には使い方のクセがはっきり出ます。
たとえば、こんな具合です。
Backspaceがすり減っている人
書いては消し、書いては消しを繰り返す人かもしれません。メールの一文目で5回くらい悩む、慎重派のタイプです。私はこれに当てはまります。「お世話になっております」の次が出てこなくて、結局消す。
Enterがすり減っている人
入力しては確定し、入力しては確定し、をテンポよく繰り返す人です。事務作業が多い人や、チャットでポンポン返事をする人に多そうです。
Ctrl・C・Vがすり減っている人
コピペの達人です。効率重視で、仕事が早い印象があります。ただ、貼り付ける先を間違えて冷や汗をかいた経験もあるはずです(私はあります)。
Spaceがすり減っている人
変換しながら文章を書くタイプで、日本語入力では特に目立ちます。変換候補をスペースで送りながら、「これじゃない、これでもない」と探している姿が浮かびます。
WASDがすり減っている人
ゲームが好きな人です。仕事と関係なく、夜な夜な何かと戦っています。
「Escキー」だけ妙に綺麗な人もいる
反対に、ほとんど触られていないキーも気になります。
私のキーボードで言えば、「ScrollLock」と「Pause」は新品同様です。たぶん、買ってから一度も押していません。お前ら、いったい何のためにそこにおるんや、と毎日思っています。
でも、あの使われないキーたちがあるからこそ、よく使うキーの「すり減り」が目立つのだと思います。人生も同じで、使わない時間があるから、使う時間が際立つのかもしれません。
すり減ったキーは、頑張った証拠
すり減りは、見た目だけで言えば劣化です。でも、見方を変えると、その人が何千回、何万回と押してきた記録でもあります。
深夜に書いた企画書。言いにくいことを伝えるために何度も書き直したメール。誰かに「ありがとう」を打った数えきれない瞬間。
そういう時間が全部、あの小さな光沢に積み重なっていると思うと、すり減ったキーがちょっと愛おしくなってきます。
今日のおすすめ
もしお時間があれば、いま使っているキーボードを、ちょっと明るい場所でじっくり見てみてください。
いちばん光っているキーは、どれですか?
それがきっと、あなたの毎日をいちばん支えてきたキーです。そして、そのキーを見ているだけで、「あぁ、自分はこんなふうに頑張ってきたんやな」と、少しだけ自分を労いたくなるかもしれません。
私はこれからも、Backspaceを押しながら、迷いながら、書いていこうと思います。
あなたのキーボードで、いちばんすり減っているキーはどれでしょうか。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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