夜になると、部屋は急に広くなる。
昼間は気にならなかった静けさが、壁の向こうからじわりと近づいてくる。
その中で、カタカタと鳴るキーボードの音だけが、やけに鮮明に響いている。
パソコンのモニターは、何も語らない。
ただ光って、こちらを照らしているだけだ。
それでも不思議と、誰かと向き合っているような気持ちになる。
昼間は通知や用事に追われて、ただの作業だったはずなのに。
夜になると、同じパソコンが少しだけ深い存在になる。
キーボードを打つ指先に、考えていることがそのまま流れ込んでいく。
うまく言葉にならない気持ちも、
消しては書き、書いては消しているうちに、
なんとなく形になっていく。
カタ、カタ、カタ。
一定のリズムは、まるで自分の鼓動のようだ。
外の世界は静まり返っているのに、
この小さな机の上だけが、確かに動いている。
夜に書く文章は、少しだけ正直だ。
余計な飾りが落ちて、本音に近づいていく。
朝になれば消してしまうかもしれない言葉も、
今この瞬間だけは、本当の自分のような気がする。
キーボードの音だけが響く夜。
それは孤独なのかもしれない。
でも同時に、自分と一番つながっている時間でもあるのだと思う。
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