部屋の明かりを落とすと、
モニターの光だけが浮かび上がる。
それはやわらかくもあり、どこか冷たくもある光だ。
昼間はただの作業道具だったパソコンが、
夜になると少し違って見える。
画面の中には世界が広がっているのに、
この部屋は驚くほど静かだ。
カーソルが点滅している。
急かすわけでもなく、ただ待っている。
書くのか、書かないのか。
何を言葉にするのか。
それを決めるのは、いつも自分だ。
モニターの光に照らされていると、
余計なものが少しずつ剥がれていく。
肩書きも、役割も、昼間の顔も、
この時間だけはどこか遠い。
残るのは、静かな自分。
何かを急ぐでもなく、誰かに見せるでもなく、
ただ考えているだけの時間。
パソコンは何も言わない。
けれど、こちらが打ち込めば、きちんと応えてくれる。
その素直さが、少しだけ救いになる夜もある。
モニターの光と、静かな自分。
世界とつながっているはずなのに、
いちばん深くつながっているのは、
案外、自分自身なのかもしれない。
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