モニターの向こうには、いつも世界が広がっている。
遠い国の出来事も、誰かの日常も、
指先ひとつで触れられる。
映像は鮮明で、音もクリアで、
まるでその場にいるような気持ちになる。
それでも、ふと立ち止まる瞬間がある。
これは本物なのだろうか、と。
画面の中では、誰かが笑い、誰かが怒り、
誰かが成功し、誰かが傷ついている。
でもその温度や匂いまでは、こちらに届かない。
便利になればなるほど、
距離は縮まっているはずなのに、
どこか透明な膜が一枚、間にあるような感覚。
けれど考えてみれば、
文字だって、本だって、
昔から人は“間接的な世界”を通して、
誰かとつながってきた。
画面越しの世界も、
確かに誰かの現実から生まれている。
それを受け取っている自分の感情も、紛れもなく本物だ。
大切なのは、
本物かどうかを疑い続けることではなく、
その向こうに人がいることを忘れないことなのかもしれない。
画面越しの世界は本物か。
答えはきっと、
このモニターの前にいる自分の在り方次第なのだと思う。
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