昔、世界の入口は本だった。
あるいはテレビや新聞だったのかもしれない。
決められた順番で、用意された情報を受け取る。
それが当たり前だった。
けれど、ブラウザを開いた瞬間、
世界は横に広がった。
検索窓に言葉を打ち込めば、
自分の興味がそのまま道になる。
リンクをクリックするたびに、
知らなかった場所へ飛んでいく。
国境も、時間も、
ほんの数秒で越えてしまう。
それは自由だった。
誰かが決めた順番ではなく、
自分で選び、自分で迷う世界。
同時に、少しだけ怖さもあった。
どこまでも続く情報の海。
正しさも、間違いも、
同じ顔で並んでいる。
それでも、ブラウザを閉じることはできなかった。
そこには無数の声と、
まだ知らない景色があったから。
ブラウザが世界の入口になった日。
世界は急に近くなり、
そして同時に、
自分の選択が問われる場所になった。
今日もまた、
アドレスバーに言葉を打ち込む。
小さな四角い窓から、
世界へ続く扉を開けるように。
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