画面が暗くなって、
くるくると回る小さな円だけが残った。
「再起動しています」の文字は、どこか他人事のようだ。
急いでいたはずなのに、
パソコンが止まれば、自分も止まるしかない。
コーヒーに手を伸ばし、
ただ待つという時間が、ぽつんと生まれる。
考えてみれば、再起動は悪いことばかりではない。
うまく動かなくなったものを、
いったん終わらせて、もう一度始める。
それだけのことだ。
それなのに人は、
自分のこととなると、なかなか再起動できない。
少し疲れていても、
少し噛み合っていなくても、
そのまま動き続けようとしてしまう。
画面はまだ黒いまま。
静かなファンの音だけがしている。
強制終了ではなく、
ちゃんと手順を踏んだ再起動。
それはどこか丁寧だ。
やがてロゴが浮かび上がる。
見慣れたデスクトップが戻ってくる。
特別なことは何も起きていないのに、
少しだけ空気が軽くなった気がする。
再起動を待つあいだに考えたこと。
たまには自分も、
何もかも抱えたまま進むのではなく、
いったん止まってもいいのかもしれない。
すべてをやり直す必要はない。
ただ、もう一度立ち上がればいい。
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