2026年3月1日日曜日

キーボードの隙間に落ちた時間

朝、いつものようにパソコンを開く。
指先がキーボードの上を滑るたび、昨日の残り香のように、知らぬ間に時間がこぼれ落ちている。

メールを開き、通知を確認し、少しだけニュースを眺める。
気づけば数十分、あるいは数時間。
画面の光は変わらず私を映し、静かに時を刻む。

キーボードの隙間には、打ち込まれた文字だけでなく、考えたこと、迷ったこと、忘れたこと、そして思い出せなかった夢までもが落ちていく。
拾い上げることはできず、ただ指先の感触だけがそれを覚えている。

ふと気づくと、コーヒーは冷め、窓の光も変わっている。
時間は消えたわけではなく、形を変えて隙間に溜まっていく。
パソコンの前の私だけが、取り戻せぬ小さな時を抱えている。

今日もまた、キーボードの隙間に落ちた時間にそっと目をやる。
そして、次の一文字を打つ。

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